生き物が生きていくうえで必須の栄養成分『ビタミン』
よく美容のためにビタミンCを摂取したり、
健康目的でサプリメントを飲まれている方もいると思います。
では、
ビタミンが愛犬の体内でどのような働きをしているかはご存じでしょうか?
ビタミンは栄養素の吸収を助け、
丈夫な体作りのサポートをしてくれます。
さらに健康的な皮膚や被毛を保つ働きをするものや
老化を防止する『若返りのビタミン』なんて呼ばれるビタミンも、
今回はそんなビタミンについて少しでも身近に感じていただけるように、
ビタミンの種類と役割について紹介していきます。
ビタミンとは

ビタミンは身体の様々な働きをサポートする栄養成分の総称です。
発見されているビタミンは20種類以上。
『脂溶性ビタミン』『水溶性ビタミン』と大きく二つのグループに分けられます。
脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンはその名の通り”脂肪に溶けるビタミン”の事を指します。
脂肪と一緒に摂取することで効率よく体内に吸収することができますが、
身体の脂肪組織に蓄積するため、過剰摂取には注意が必要です。
脂溶性ビタミンの種類
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
ビタミンA
目や粘膜の皮膚の成分となり、暗いところでの視力を保つ、脂漏症の改善を助けるといった働きがあります。
また、『抗感染症ビタミン』と評されるほど抵抗力を高める役割があり、
病原体に対抗する白血球やリンパ球の発生にもビタミンAは欠かせません
ビタミンAを良く含む食品
レバー、卵黄、ニンジン、うなぎ、ほうれん草など
ビタミンD
丈夫な骨づくりをサポートしてくれるビタミン。
カルシウムとリンの吸収を促し、骨や歯の成長をサポートします。
また、血中のカルシウム濃度を一定に保つ働きも。
ビタミンDが良く含まれる食品
きくらげ、いわし、カツオ、鮭、干しシイタケ、マイタケなど
ビタミンE
強い抗酸化作用で老化を防止する働きがあります。
血行を良くし動脈硬化や血圧の低下、悪玉コレステロールの減少など、
老化により発生しやすくなる疾患の予防に役立つことから『若返りのビタミン』とも呼ばれます。
ドッグフードには天然由来の『酸化防止剤』としても利用されています。
ビタミンEが良く含まれる食品
卵、アーモンド、オリーブオイル、アボガド、大豆など
ビタミンK
血液と骨を健康に保ってくれるビタミンです。
血液を凝固させる働きを持ち、
不足すると出血したときに血が止まらなくなってしまうといった影響が。
また骨づくりをサポートする役割があり、
カルシウムの骨への沈着を助けてくれます。
ビタミンKが良く含まれる食品
小松菜、ほうれん草、モロヘイヤ、納豆、わかめなど
水溶性ビタミン

水溶性ビタミンとは”水に溶けるビタミン”の事を指します。
過剰に摂取しても尿と一緒に排出されます。
ただし毎日食事から摂取しなければならない栄養素です。
水溶性ビタミンの種類
- ビタミンB1(チアミン)
- ビタミンB2(リボフラビン)
- ビタミンB3(ナイアシン)
- ビタミンB5(パントテン酸)
- ビタミンB6(ピリドキシン)
- ビタミンB7(ビオチン)
- ビタミンB9(葉酸)
- ビタミンB12(コバラミン)
- コリン
- イノシトール
- ビタミンC
ビタミンB1(チアミン)
糖質を分解しエネルギーに変える役割を担っています。
ビタミンB1が不足してしまうと、
どれだけ糖質を摂取してもエネルギーとして使うことができず、
結果エネルギー不足に陥ってしまう事に。
別名『疲労回復ビタミン』と呼ばれます。
ビタミンB1を良く含む食品
レバー、ウナギ、サンマ、カレイ、納豆など
ビタミンB2(リボフラビン)
皮膚を助け、成長を助けてくれるビタミンです。
糖質、脂質、タンパク質の代謝を助ける働きをします。
特に脂質の代謝を助け、皮膚や毛並みの健康をサポート
整腸に欠かせない栄養素でもあることから『発育のビタミン』と言われます。
ビタミンB2を良く含む食品
豚肉、赤身肉、玄米、大豆、ほうれん草など
ビタミンB3(ナイアシン)
500種類以上の補酵素として、糖質、脂質、タンパク質代謝やDNAの合成修復など、
様々な体内機能に関わっています。
皮膚や被毛の健康維持にも役立っているビタミンです。
ビタミンB3が良く含まれる食品
レバー、豚肉、鶏肉、マグロ、ピーナッツなど
※ナイアシン(ビタミンB3)はメンタルにも影響あり!
精神を安定させると言われる神経伝達物質のセロトニンは、
ナイアシンと同じくアミノ酸の”トリプトファン”から作られます。
そのためナイアシンが不足するとセロトニンが作られず、
イライラしたり攻撃的な行動をとってしまうことも。
ビタミンB5(パントテン酸)
ほとんどすべての食品に含まれているエネルギーに欠かせない栄養素であり、
あらゆる組織に必要なビタミンです。
ストレスをやわらげる『副腎皮質ホルモン』の合成に関わりストレスを軽減してくます。
別名『抗ストレスビタミン』
ビタミンB5が良く含まれる食品
魚類、豆類、レバー、牛乳、卵など
ビタミンB6(ピリドキシン)
タンパク質の生成や分解に不可欠なビタミン
タンパク質の摂取量が多いほどビタミンB6の必要量も増えます。
また肝臓への脂肪の蓄積を防ぎ、脂肪肝の予防にも効果を発揮します。
ビタミンB6を良く含む食品
レバー、鶏肉、マグロ、バナナ、ごまなど
ビタミンB7(ビオチン)
皮膚や被毛の健康維持に必須のビタミン。
脱毛にも防止にも効果あり。
さらに近年アトピー性皮膚炎やアレルギー症状の緩和効果が注目されています。
※生の卵白を食べるとビオチン欠乏症を起こすことがあるため注意が必要です。
ビタミンB7を良く含む食品
レバー、卵黄、ピーナッツ、あさり、きなこなど
ビタミンB9(葉酸)
赤血球の合成をサポートし、
貧血予防に役立つことから『造血のビタミン』と言われます。
また葉酸はDNAの合成に重要な役割を果たしており、
胎児は成長の過程で大量の葉酸を消費します。
妊娠中の母犬は葉酸欠乏症にならないよう十分な葉酸を摂取する必要があります。
ビタミンB9を良く含む食品
レバー、ほうれん草、モロヘイヤ、アスパラガス、枝豆など
ビタミンB12(コバラミン)
補酵素としてアミノ酸の代謝や葉酸のサポート、
さらに脳の働きを維持するなど多数の体内組織を維持するために必要な栄養素です。
葉酸と力を合わせて血液を作り、貧血を防いでくれる働きも
ビタミンB12を良く含む食品
レバー、あさり、しじみ、カキ、のりなど
コリン・イノシトール
コリンとイノシトールは血液の循環を良くするアセチルコリンや、
コレステロールの沈着を抑制するレシチンの成分となるため動脈硬化や脂肪肝の予防に役立ちます。
コリン・イノシトールを良く含む食品
レバー、牛肉、豚肉、豆腐、とうもろこしなど
ビタミンC
犬や猫の場合は体内で生成出来るため必須ビタミンではありません。
コラーゲンの合成に不可欠で、
筋肉や皮膚、骨、歯などを強化します。
また抗酸化作用による心疾患予防、
抗がん作用も注目されているビタミンです。
ビタミンCを良く含む食品
ブロッコリー、さつまいも、レモン、いちご、青菜など
まとめ
ビタミンの働きはいかがでしたでしょうか?
ビタミンは栄養素の吸収を助け、丈夫な体作りのサポートをしてくれます。
ビタミンの役割を理解し、愛犬の健康を維持するために役立ててもらえたら嬉しいです。
