犬に必要な6大栄養素とは? 

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生物が生きていくために体内に取り入れなければいけない成分を『栄養素』と呼び
犬に必要な栄養素を総称して5大栄養素と呼びます。

今回は5大栄養素に水分をプラスした『6大栄養素』について解説します。

目次

栄養素ってなに?

栄養素とは、生物が生きていくために体内に取り入れなければならない成分の事を呼びます。

栄養素の主な働きとしては

  • 活動するためのエネルギー源となる
  • 身体の組織、細胞の原料となる。
  • 身体の調子を整える

などの働きを担っています。

〇〇栄養素とは?

栄養素の話が出るときに、しばしば『3大栄養素』『5大栄養素』『6大栄養素』といったワードが出てきます。
それぞれ似たような名称ですが、それぞれ何が違うかご存じでしょうか?

〇〇栄養素の比較表

実は3大栄養素や6大栄養素はそれぞれ同じ栄養の事を指しているのです。

3大栄養素タンパク質、脂質、炭水化物
5大栄養素タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル
6大栄養素タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水分

と言ったように、数字が大きくなるにつれ、含まれる栄養素が増えていきます。
今回の記事では6大栄養素のそれぞれの働きについて解説します。
※3大栄養素についてはこちらをチェック→理想的な3大栄養素のバランスは? 愛犬に理想的な栄養配分を徹底考察

各栄養素の働き

それでは、それぞれの栄養素はどのような役割を持っているのでしょうか?
項目ごとに分けて紹介していきます。

タンパク質

タンパク質は3大栄養素の一つで、たくさんのアミノ酸が結合したものを呼びます。

身体の中でタンパク質を構成しているアミノ酸は20種類
そのうち10種類が体内で作り出せない必須アミノ酸です。

タンパク質は体内でエネルギー源になることに加え、身体を構成するための重要な栄養素でもあります。

食事中に含まれるタンパク質は消化酵素によってアミノ酸に分解吸収された後、身体を構成する新しいタンパク質に作り替えられるのです。

タンパク質が不足すると?

発育遅延、体重減少、生体機能の低下など。
低品質のドッグフードや炭水化物の多い食事を与えるとタンパク質不足に陥ることがあります。

タンパク質を過剰摂取すると?

脂肪に蓄積されて体内に蓄積されます。

※タンパク質について詳しく知りたいときはこちら→犬には高タンパク質フードが良いって本当? 高タンパクフードのメリットとデメリットを解説

脂質

脂質は3大栄養素の中で最もエネルギー価が高く、熱源となるため体温維持の役割を担っています。

脂質の主な役割は以下の通り

  • 脂溶性ビタミンの吸収を助ける
  • 必須脂肪酸を供給する
  • 食物の嗜好性を高める
  • 臓器の保護、細胞膜やホルモンの形成、皮膚や被毛を美しく保つ

脂質が不足すると?

  • 必須脂肪酸が不足すると繁殖機能が抑制される。
  • 被毛のツヤがなくなりフケの原因となる。ひどくなると皮膚炎になることも
  • 妊娠中に欠乏すると新生児異常がおこる

必須脂肪酸不足は低脂肪ドッグフードや高温高湿度で長期間保管されたフードによく見られます。
(保存中に酸化したため)
その対策としてドッグフードには酸化防止剤が用いられます。

脂質を過剰摂取すると?

脂質を過剰摂取すると急性すい臓炎の発症リスクが高まります。
なぜなら、
すい臓から分泌するリパーゼ(脂肪を消化する酵素)がたくさん分泌されてしまい負担が掛かってしまうからです。

通常の場合16%を超える高脂質食は必要ありません。
※脂質について詳しく知りたいときはこちら→【拒否】低脂肪フードでは痩せない!?ドッグフードに必須の栄養素『脂質』について解説 【理想的な脂質量とは】

炭水化物

炭水化物は3大栄養素の一つで即効性のエネルギー源として利用されます。
タンパク質や脂質よりも安価なエネルギー源として配合されたり、かさ増しをして満腹感を得たりするために利用されます。

本来炭水化物は犬にとって必須の栄養素ではありませんが、
効率的にエネルギーを利用するために含まれることが多いです。

炭水化物が不足すると?

エネルギーが足りなくなり疲れやすくなります。

炭水化物を過剰摂取すると?

炭水化物を過剰摂取すると脂肪に置き換わり肥満や糖尿病の原因になります。

※炭水化物について詳しく知りたいときはこちら→【不要】犬に炭水化物は必要ない?ドッグフードに炭水化物が載っていない理由と計算方法を解説

ビタミン

ビタミンは5大栄養素の一つに数えられ、主に体調を整える役目を担っています。

犬に必要なビタミンは15種類ありますが、体内で合成できず食事から摂取する必要があります。
通常のドッグフードには必要十分のビタミンが添加されているためさらに摂取する必要はありません。
ただし脂溶性ビタミンを過剰摂取してしまうと体内に蓄積され、中毒や副作用を生じさせることがあるので注意が必要です。

気を付けたいビタミンの過剰摂取

名称症状
ビタミンA食欲不振、体重減少、知覚過敏
ビタミンD食欲不振、体重減少、嘔吐、疲労、下痢
ビタミンE、K詳細不明だが弊害があると言われている。

※ビタミンについて詳しく知りたいときはこちら→ドッグフードとビタミンの関係は?犬に必要な栄養素ビタミンの種類と役割を紹介

ミネラル

ミネラルは5大栄養素の一つ。
必要量は極めて微量ですが、体調を整えるために無くてはならない栄養素です。

過剰摂取すると害があるものも多く、バランスよく摂取することが重要です。

ミネラルの種類

ミネラルは2つに分類され、
g単位の摂取量が必要な『主要ミネラル』とmg(㎍)単位の摂取量が必要な『微量ミネラル』に分けられます。

主要ミネラル

主要ミネラルは細胞の維持、神経伝達、骨などを構成する成分です。
特に重要なのはカルシウムとリンで、骨、歯の構成成分になります。
欠乏もしくは過剰に摂取すると、骨や歯に関わる病気が誘発される恐れがあるため注意が必要です。

微量ミネラル

微量ミネラルの中でも鉄は血液の原料に、ヨウ素は甲状腺ホルモンに欠かせない成分です。

※灰分について詳しく知りたいときはこちら→ドッグフードに書かれてる『灰分』ってなに?役割と種類について解説【灰分=ミネラルです。】

水分

水分も6大栄養素として数えられる大切な栄養素です。

健康な犬に必要な1日の水分量は、おおよそ1日に必要なカロリーと同程度と言われています。
一般的に体重1kgあたり約130ml(5kg=650ml、10kg=1.3L)が必要です。

水分が不足すると脱水症状が起こり愛犬を危険な状態に陥らせてしまいます。
・体内の10%が失われると危篤状態に
・体内の15%が失われると死に至る
と言われています。

夏場は特に熱中症による脱水症状に注意が必要です。

5大栄養素を摂取できるドッグフードの選び方

犬が必要とする栄養素をバランスよく摂取するに、ドッグフードは『総合栄養食』を選びましょう。
総合栄養食とは、犬が必要とする栄養素が十分に含まれているドッグフードの事を指します。
水と総合栄養食さえあげれば必要な栄養素を摂取することができるのです。

ドッグフードの種類

ドッグフードには総合栄養食の他にもいくつか種類があります。

総合栄養食

犬に必要な栄養素が十分に整えられているドッグフード

療法食

病気の治療の際に、栄養学的なサポートをするために調整されているフード
獣医の管理のもと使用されます。

間食

おもにおやつの事を指します。歯磨きガムやボーロ、ビスケットなど

その他の目的食(上記に当てはまらないもの)

総合栄養食以外のドッグフード、サプリ、ふりかけなど
『副食』『一般食』『栄養補助食』などと表記されます。

手作り食は栄養バランスが難しい

手作り食は愛犬の好みに合わせて作れるというメリットがありますが、どうしても栄養が偏ってしまいがちに。
毎日作るのも大変です💦

手作り食に慣れてしまうとドッグフードを食べなくなる可能性もあるので、
うまくドッグフードと組み合わせてあげましょう。

手作り食がメインの場合でも、災害に備えてドッグフードにも慣れさせておくと安心です。
いざというときの備えは万全に。

おやつはあげすぎないように

愛犬と信頼構築の為におやつは重要なコミュニケーションツールです。

ただあげすぎてしまうと肥満のもとになるので、
1日にあげる量は必ず飼い主さんがコントロールしてあげましょう。

原則として「1日に摂取するカロリーの10分の一以下」に抑えるようにしましょう。

まとめ

6大栄養素とは?

  • タンパク質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ビタミン
  • ミネラル
  • 水分

の事
栄養素は特定の栄養素に偏らずバランスよく摂取することが大切です。

ドッグフードを選ぶ際は、5大栄養素を十分に摂れるフードを選びましょう。

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