低脂肪フードでは痩せない!?ドッグフードに必要な『脂質』について解説

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ドッグフードには必ず入っている『脂質』ですが、
脂質(脂肪)と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか?

太る 油 ダイエット 脂質異常症 

食べ物であれば

ステーキの脂身 大トロ ホルモン  

肥満に関することや美味しいご飯が思い浮かぶ方も多いと思います。
『美味しさは糖と脂でできている』なんてキャッチフレーズのテレビCMも過去にありましたよね。

脂肪といえば『ダイエットの敵』扱いされ、
低脂肪〇〇・脂肪カット〇〇
などいろいろと邪魔に思われがちな栄養素ですが、実は身体を作るうえでとても大切な栄養素です。
オメガ3やオメガ6など、身体に良いと認知されている成分も『脂質』の一種なんですよ。

この記事では犬に対する脂質の役割や種類。
また、『犬も脂肪を美味しいと感じるのか?』という部分についてもフォーカスして解説します。

この記事を読むことでドッグフードと脂質の関係。
どのようなドッグフードを選べば良いか理解していただけます。

そんなお菓子ばっか食べて大丈夫?最近太ってきたんじゃない?
ギクッ! そ、そんなことないわん~♪ 
さーてと!お腹もいっぱいだし
お昼寝タイムだ
ダイエットさせるか。。。
目次

脂質とは?

脂質の役割

  • 細胞膜や血液の成分になる栄養素 
  • 脂溶性ビタミンの吸収を促進してくれる 
  • 神経の働きに深くかかわる 
  • エネルギー価が高く、少量で多くのエネルギーを供給する

脂質といえば肥満の代名詞のように扱われ、
あまり良いイメージを持たれていないことが多い栄養素。
でも重要な役割もたくさん担っているので、
身体に良い脂質をバランスよくとることが大切です。

特に脂質は優秀なエネルギー源として、
少量でも身体を動かすエネルギーに変換され十分に働いてくれます。
その変換率はタンパク質や炭水化物に実に倍以上!

ただし必要以上のエネルギー源は脂肪に代わってしまうため、
脂質の摂りすぎは肥満につながるので注意が必要です。

脂質を構成する『脂肪酸』とは

脂質は、そのほとんどが脂肪酸で構成されています。
脂肪酸は多くの種類がありますが大きく分けて以下の2種類に分類でき、
その種類によってそれぞれ役割が異なります。

飽和脂肪酸

肉や乳製品に多く含まれ、コレステロールを作る材料になります。
主にエネルギー源として利用される成分です。 

不飽和脂肪酸

青魚や植物性油に多く含まれます。コレステロールを減らす働きがあり、
リノール酸やリノレン酸など体内で合成できない必須アミノ酸も含まれています。

オメガ3・オメガ6について

よく身体に良い成分として名前が出るオメガ3/オメガ6も、実は不飽和脂肪酸の一つです。

オメガ3

オメガ3の役割

  • 抗炎症効果 
  • 細胞への酸素供給 

高齢犬、関節炎、慢性腎臓病、皮膚病など
慢性的な炎症を持っている子に多く摂取してほしい栄養素です。
オメガ3は魚油や植物性の油(亜麻仁油、エゴマ油など)に多く含まれているのですが、
ドッグフードだけでは不足しがちな成分なので意識して摂取する必要があります。
不足してしまうと関節炎や皮膚炎といった症状が出ることがあります。

またオメガ3系脂肪酸の『EPA』『DHA』
心臓機能/腎臓機能を保護する性質を持っています。
(抗凝結作用と血管拡張による降圧作用)
母乳に含まれ、子犬の成長に不可欠の栄養素です。

オメガ6

オメガ6の役割

  • 細胞膜を形成する 
  • 皮膚にバリアを作る

主に皮膚の健康、被毛の維持、生殖機能の向上などに利用されています。
オメガ6系脂肪酸の『γーリノレン酸』は
皮膚/被毛の健康維持に役立つ性質を持っていて、
乾燥肌や脂漏症(皮脂を多く作りすぎる肌)に効果的です。

脂肪と酸化防止剤の関係

食用油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸は
酸素、高熱、光によって徐々に酸化を起こしてしまいます。
酸化した脂肪酸は有害物質に代わり身体に悪影響を与えてしまう事に 
そのためドッグフードには酸化防止剤の添加が不可欠とされています。

ちなみに酸化防止剤について、
選ぶときは化学物質ではなく、
天然由来物質の酸化防止剤が入ったドッグフードを選ぶようにしましょう。

よくドッグフードに使われている酸化防止剤

【合成物質由来の酸化防止剤】

  • BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
  • BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
  • エトキシキン

合成物質は効果が強く長期間保存できますが、
発がん性や毒性も認められており、
長く摂取し続けると内臓に負担をかけてしまいます。
ペットフード安全法でも含有量が制限されている物質です。
→「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)

【天然物質由来の酸化防止剤】

  • トコフェロール(ビタミンE):植物によってつくられ、自然界に広く存在する。
  • ローズマリー抽出物:ローズマリーの葉または花から得られたもの

天然由来の酸化防止剤は効力が弱い反面、体への負担も少なく摂取できます。
保存期間が短いため1カ月程度で使い切る必要があります。

今は添加物にも気を付けたドッグフードが数多く販売され、
比較的安価なものでも天然由来の添加物を使用したドッグフードを探すことができます。
保存期間が短いことは注意が必要ですが、
愛犬の身体のためにもできるだけ負担が少ない物質を使ったフードを選んであげましょう。
→酸化防止剤についてもっと詳しく知りたい方はこちらもチェック

必要な脂質量はどのぐらい?

脂質の必要量は犬種やライフスタイルによって異なりますが、
全米飼料検査官協会「AAFCO」によると
成犬5%/子犬8.5%以上の脂質が必要』と公表しています。

またロイヤルカナンのヘルスニュートリションラーニングプログラムでは
『中型成犬の場合脂質の含有量は12%が理想』とされています。 

ではどのぐらいの含有量だと高脂質/低脂質になるのか?
これについて明確な基準はありません。
情報によって『16%以上が高脂肪食』『18%以上が~』とまちまちです。

ちなみに当サイトで掲載している400種類の製品を比較したところ、
脂質含有量10%~15%の製品が最も多く全体の36%。
含有量が5%~20%の製品が全体の90%を占めていました。
全体の平均値は14%という結果が出ています。

ロイヤルカナンの理想的な脂質含有量12%と、当サイトの分析結果を基に考えた場合
目安として

  • 10%以下:低脂質
  • 10%~15%:平均含有率
  • 15%以上:高脂肪

以上の含有量を参考にして脂質含有量が多いか少ないか判断しましょう。

脂肪を過剰摂取するとどうなる?

  • 肥満
  • 生活習慣病
  • がんの誘因となる可能性も

脂肪を過剰摂取するとエネルギー過多にとなり、
脂肪として体内に蓄積されます。
脂肪が蓄積され続けた結果肥満になってしまうのです。

また飽和脂肪酸を摂りすぎると
動脈硬化や心臓病、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病になるリスクが高まり、
がんの誘因となる可能性もありので注意が必要です。 

脂肪が不足すると

  • エネルギーが不足し免疫力低下 
  • 皮膚が乾燥してかゆみやかさつきが出る 
  • 毛艶が悪くなる 低たんぱく低脂肪フードは嗜好性の低下につながることも!

脂肪が不足すると皮膚や毛並みに異常がみられ、ひどい場合は皮膚炎になることもあります。

またダイエット時に使われる『低たんぱく低脂肪』フードは、
嗜好性の低下につながり食べてくれないことも。

低脂肪フードに切り替えるときは愛犬の食いつきを気にしながら、
合わせて皮膚や毛並みの調子も注意して観察しましょう。

低脂肪フードでは痩せない?

良くダイエットフードとして販売されている『低脂肪低カロリーフード』ですが、

実は
「ダイエットフードに変えたのに全然痩せない」
「フードを切り替えたら逆に太ってしまった」
なんて声があることをご存じでしょうか?

「なんでダイエット食に変えたのに痩せないの」(´;ω;`)
「もっとフードの量を減らさなきゃ!」
と考え込んでしまう飼い主さんもいるようですが少し待ってください。

原因は別のところにあるかもしれません。

ドッグフードの成分表には記載がないことも多いのですが、
ドッグフードには一定量の炭水化物(糖質)が入っています。
低脂肪食に変えても痩せない場合。
この(糖質)が悪さをしている可能性があるのです。
もしこの事実に気付かず『低脂肪!』『量を減らす』を続けていると、
必要な栄養まで摂取できなくなってしまい体調が悪くなってしまう可能性も。

愛犬のダイエットを考えるときは、
低脂肪だけではなく炭水化物(糖質)も考慮してドッグフードを選びましょう。

まとめ

今回の記事についてまとめると

  • 脂質は効率的なエネルギー源で身体に不可欠な栄養素 
  • ドッグフードはオメガ3が不足しがち 
  • 脂肪酸が酸化してしまうため食品には『酸化防止剤』の添加が必須
  • ドッグフードの平均的な脂質量は10%~15% 
  • 低脂肪フードで痩せない時は糖質制限を意識して

脂質は犬の身体を維持するうえでとても大切な栄養素です。
特にダイエットが必要なわんちゃんは、炭水化物も含めた全体の栄養バランスを考慮してドッグフード選びをしましょう。

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