ドッグフードに含むカルシウムとリンの適正比率は?摂取しすぎると成長に悪影響も

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カルシウムとリンは骨や歯を形成するために欠かせないミネラルです。

では、どのぐらいの量を摂取するのが愛犬にとってベストなのでしょうか?
今回はカルシウムとリンの関係について解説します。

この記事をおすすめの人

  • 新しく子犬をお迎えした方
  • これからシニア世代になる子と暮らしている方
  • おやつに小魚や煮干しをあげている方
目次

カルシウムとリンの働き

カルシウムとリンは骨や歯を作る成分です。
体内に吸収されたカルシウムのおよそ99%、
リンの80%以上が骨に貯蔵されます。

欠乏すると骨粗鬆症や発達障害を起こしてしまうことがあります。

逆に過剰摂取は腎機能や尿路疾患などに
負担を掛けてしまうのでたくさん与えれば良いわけではありません。
また生後5カ月未満の子犬は
カルシウムを過剰摂取をすると骨の発育に悪影響を与えてしまうので、
適切な量を摂取することが大切なのです。

カルシウムは多くても少なくても
骨に悪影響(骨折が増える)など影響が出ることが報告されています。

カルシウムとリンの必要摂取量は?

カルシウムとリンの必要摂取量はAAFCOにより基準が定められています。

成分最少量最大量
成長期成犬期
カルシウム1.1g0.7g2.9g
リン0.9g0.6g1.8g
カルシウム:リン比1:11:12:1

最少量は成長期と成犬期で必要摂取量が異なります。
これは成長期の子犬のほうがより多くのカルシウムを必要とするため。

最大量についてはカルシウム2.9g以下、リン1.8g以下に定められています。

またカルシウムとリンは摂取量バランスも非常に重要です。
カルシウム/リンの摂取比が≪1:1~2:1≫である必要があります。

通常のドッグフードであればカルシウムやリンは
十分に含まれているため追加であげる必要はありませんが、
リンは逆に過剰摂取になりやすいため気を付けたい成分です。

リンを過剰摂取すると、
カルシウムの吸収を阻害してしまい
低カルシウム血症や高リン血症を起こすことも。
またシニア犬の場合慢性腎臓病の発症リスクを高める原因になります。

・リンが多く含まれる食品

肉、魚、卵、乳製品、豆類など。
骨ごと食べる小魚や煮干しは与えすぎに注意!

リンが含まれる添加物

PH調整剤、膨張剤、乳化剤、酸味料、リン酸塩など

リンはもともと食品に含まれている『有機リン』と、
食品添加物に含まれる『無機リン』の2種類があります。
有機リンの体内吸収率が10%~40%程度に対し、
無機リンの吸収率は90%

有機リンと比べて食品添加物に含まれる無機リンは
血中のリン濃度があがりやすくなり、
気付かないうちに過剰摂取になってしまうことも。
おやつなどご飯以外の食べ物をあげるのはほどほどにしましょう。

骨や歯の形成にはマグネシウムも大事

骨や歯にはマグネシウムも大切な成分です。

カルシウムとマグネシウムはその働きに密接な関係があり、
カルシウムによる筋収縮を制御したり、
骨の形成を安定させる働きを担っています。

不足すると骨粗鬆症のリスクが高まるので、
カルシウムやリンと合わせてマグネシウムの必要摂取量も理解しておきましょう。

成分最少量最大量
マグネシウム0.05g0.3g

マグネシウムは成長期、
成犬期で最少量は変わりません。
マグネシウムの60%は骨に沈着します。
※カルシウム、リン、マグネシウムについてはこちらもcheck!→ドッグフードに書かれてる『灰分』ってなに?役割と種類について解説【灰分=ミネラルです。】

まとめ

カルシウムとリンについてのまとめ

  • カルシウム、リン、マグネシウムは骨や歯を作るために大切な成分
  • カルシウム:リンの比率は1:1~2:1
  • リンは添加物に含まれていることもあるので過剰摂取に注意
  • 基本的なドッグフードには必要量が含まれているので追加で与える必要はない
  • 子犬のカルシウム過剰摂取は骨の発育に悪影響を与える
  • シニア犬にリンの過剰摂取させると慢性腎臓病の発症リスクが高まる

カルシウムとリンは適切な摂取量を理解することが大切です。
特にリンは過剰摂取になりやすい成分なので、おやつの与えすぎには注意しましょう。

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