ドッグフードの危険な原材料として『ビートパルプ』という名前を聞いたことはありますか?
ビートパルプとは甜菜(さとう大根)から抽出される繊維質の事で、
砂糖の原料として使われる野菜からできています。
砂糖の成分を抽出した後に残った繊維質を『ビートパルプ』と呼び
安価で優秀な繊維質であることから広く利用されているのです。
※簡単にいうと甜菜の絞りッカスです。
本来野菜にすぎないビートパルプがなぜ危険な原材料として扱われているのでしょうか?
今回はビートパルプが本当に危険なのか?
フードに入っている理由と役割について紹介します。
ビートパルプは危険じゃない

結論から伝えますと
『ビートパルプ』は危険な原材料ではありません。
それどころかペットフードの原材料としてとても優秀な食材なんです。
ではなぜ”ビートパルプが危険”という話が広がってしまったのでしょうか?
ビートパルプが危険だと言われる理由
- 加工に化学薬品が使われている
- 犬に食物繊維は必要ない
- 栄養がほとんどないのに使われるのはカサ増しの為
以上のことが危険とされる理由としてよく説明されています。
実際のところはどうなのか?
1つずつ見ていきましょう。
加工に化学薬品が使われている
ビートパルプが危険だと言われる一番の理由は
『甜菜から砂糖を作る過程で硫酸系の化学薬品を使って必要な成分を抽出している』
というもの
硫酸系の薬品を使うと安価で出来るため粗悪なドッグフードに良く使われる。
という話です。
一見「なるほど! 気をつけなきゃ」
と思える内容ですが、
よく考えると疑問点が浮かんできます。
ビートパルプ=甜菜の絞りカスの事。
通常は廃棄される副産物です。
ぶっちゃけいらないものを活用しているだけなので
もともと安価で流通しているものなんですよね。
ちなみに砂糖の作り方というのは農林水産省のHPに載っていますので
硫酸が使われていないことは理解していただけると思います。
〇てん菜から砂糖ができるまで(資料:砂糖を科学する会「砂糖の知識」)

ビートパルプが危険というお話は他のドッグフードを売り込むために作られた幻想にすぎないのです。
犬に食物繊維は必要ない
こちらもビートパルプ不要論を唱える内容でよくみられる理由です。
実際に肉食と考えられてきた犬に対して、
食物繊維は必要ない。消化ができないので身体に悪い
という意見が信じられてきました。
ただし近年の研究で
- 犬は肉食ではなく”肉食寄りの雑食”
- 食物繊維はお腹の調子を整えるために必要な栄養素
であることが判明致しました。
つまり食物繊維が必要ないという話は現在は否定されています。
栄養がほとんどないのに使われるのはカサ増しの為
こちらも先ほど紹介した『食物繊維は必要ない』という意見から出た不要論です。
現在は食物繊維の重要性が判明したため古い情報と言えるでしょう。
ビートパルプを使うメリット

ここまでビートパルプが危険ではない理由を紹介してきましたが、
逆にあえて使う必要はあるのか?
メリットについてもお伝えできればと思います。
ビートパルプを使うメリット
- 安価で流通している
- 優秀な食物繊維
- 整腸作用がある
安価で流通している
ビートパルプとは『砂糖を作る過程で発生する甜菜の絞りッカス』の事であり、
製造過程で発生した副産物をドッグフードの原料として利用しています。
その為安価で流通しており、ドッグフードを安く作ることに貢献しています。
優秀な食物繊維
ビートパルプは規制が厳しい競走馬の飼料としても広く使われていて、
スーパー繊維質として重宝されています。
競走馬の世界は薬物検査がとても厳しく、
レースに勝つために食事にもとても気を遣う世界です。
そのような競走馬の飼料に使われることが、安全で性能の良い原材料である証になっています。
整腸作用がある
繊維質として優秀なビートパルプは整腸作用も優れています。
『うんちが臭くなくなる』とPRされているドッグフードは
ビートパルプや乳酸菌を使い腸を整える効果を高めているフードが多いです。

まとめ
ビートパルプは安価なドッグフードに使われる代表的な原材料として
危険な原材料というレッテルが貼られ続けてきました。
実際のところ、その効能を誤解されてきた原材料の代表格といえるかもしれません。
犬には食物繊維が必要ない!
と信じられてきたことも不要論が出ていた一つではありますが、
現在は食物繊維の重要性が認知されてきています。
ドッグフードを選ぶ際は、
ビートパルプが入っているドッグフードでも安心して食べさせてあげてください。