ドライフードからウェットフードへの切り替えの際、
値段や原材料、生産国、栄養バランスなど色々と比較する所はあると思いますが、
総合栄養食の表示があるのに何でこんなに成分量が低いんだろう?
と違和感を感じた経験はないでしょうか?
ウェットフードの成分表を見ると、
タンパク質量:10%以上、脂質:5%以上とドライフードと比べるとかなり小さい数値になっています。
実はドッグフードの成分表は保証分析値という表記になっていて
ウェットフードの場合ドライよりも栄養成分の表記が小さくなってしまうのです。
そのためドライフードからウェットフードへ切り替えの際、
製品ごとの栄養成分を比較しようとしてもそのまま比較することはとても難しくなってしまっています。
各製品を比較するためには、乾物量分析値に置き換えて比較する方法を知る必要があります。
今回は保証分析値/乾物量分析値とはどういうものなのか?
製品を比較するための方法について紹介します。
ドッグフードの成分表示には2種類ある

ドッグフードの成分表示には『保証分析値』と『乾物量分析値』という2種類の表記方法が存在します。
文章だとわかりにくいので、表で解説していきます。
保証分析値の例
粗タンパク質 | 27%以上 |
粗脂質 | 10%以上 |
粗繊維 | 4.75%以下 |
粗灰分 | 9%以下 |
水分 | 9%以下 |
保証分析値とは『100gの中におおよそ〇〇%ぐらい成分が入っているよ!』
という表記方法
例えばタンパク質の場合、
タンパク質は最低25%以上入っているよ!という意味になります。
『粗』=およそという意味で使われます
乾物量分析値の例
タンパク質 | 29.67% |
脂質 | 10.99% |
繊維 | 5.22% |
灰分 | 9.89% |
乾物量分析値とは保証分析値から水分を抜いた後の栄養値の事
保証分析値の場合、水分量によって栄養値が上下してしまいドライフードとウェットフードの比較ができないので、
水分量を抜いた乾物量分析値に直してあげるとタイプが違うドッグフードを比較することができます。
なぜ乾物量分析値は必要なの?

市販のドッグフードの場合ほとんどの製品が『保証分析値』で表記されています。
ドライフードどおしの比較であれば深く気にする必要はありませんが、
ドライフードから≪セミモイスト、ウェット≫など水分量が違うドッグフードを比較する場合は
乾物量分析値に置き換えないと分析ができません。
水分量によって変わるタンパク質の含有量
タイプ | 水分量 | タンパク質の保証分析値 | タンパク質の乾物量分析値 |
---|---|---|---|
ドライ | 10%前後 | 25%前後 | 28%前後 |
セミモイスト | 25%~35% | 15%~20% | 25%前後 |
ウェット | 70%~80% | 10%前後 | 30%~40% |
・ドライ:水分量が10%前後の”カリカリ”カビが生えてしまうので水分量は12%以内で作られる。
保存期間が長く開封してから1カ月程度
・セミモイスト:水分量が30%前後の”半生タイプ” ドライフードよりも嗜好性が高くウェットフードより保存期間が長く2週間程度
・ウェットフード:水分量が70%前後の”缶詰”やレトルト状のフレッシュタイプなど。香りが強く嗜好性は抜群だが保存期間が2~3日と短い
保証分析値だと数値に差が出るタンパク質量も、乾物量分析値に置きなおすとほぼ栄養バランスが同じになります。
栄養バランスを比較するときは水分を抜いた後の数値が大切です。
保証分析値は水分量によって栄養素量が左右される。
タイプが違うフードを比較する時は水分を抜いた数値で比較する事が大事
乾物量分析値の計算方法

ここまで保証分析値と乾物量分析値について解説してきましたが、実際乾物量分析値はどうやって調べればいいのか?
乾物量分析値の計算方法について解説します。
乾物量分析値の計算方法
測りたい栄養の~%(粗たんぱく質等)÷(100−水分量~%)×100
例:タンパク質27% 水分9%の場合
27%÷(100-9%)×100=29.67%
総合栄養食の基準となる『AAFCO』の栄養基準も『乾物量分析値』をもとに設定されています。
ドッグフード栄養バランスを調べるときに覚えておきたい計算式なので、『乾物量分析』という言葉だけでも覚えてくださいね。
まとめ
保証分析値と乾物量分析値についての紹介はいかがでしたでしょうか?
パッケージには保証分析値が記載されているフードがほとんどですが、
タイプの違うフードを比較するときは乾物量分析値に置き換えて比較する事が大切です。
栄養成分は愛犬の健康に影響するとても大切なポイント
是非ドッグフードを選ぶときの参考にしてもらえたら嬉しいです。
