【犬の管理栄養士が解説】『無添加』ドッグフードを選んではいけない!?添加物の真実を伝えます

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「ドッグフードを選ぶ時、つい無添加かを気にしてしまう」
このような経験はありませんか?

最近は人が食べる食品でも、無添加食品を選ぶ人が増えていますよね。

ドッグフードを選ぶポイントとされやすい『無添加』ですが、無添加を標榜しているほとんどのドッグフードに添加物が使われていることはご存じでしょうか?

実はドッグフードを製造する上で、無くてはならない添加物も存在するのです。
今回は、ドッグフードに使われる添加物を使用する目的について紹介します。

目次

添加物とは?

ドッグフードにおける添加物とは、栄養の補助や品質を一定に保つために使用されている成分の事を指します。
一概に添加物と言っても様々な種類があり、それぞれフードの利便性を高めるために使用されます。

添加物を使用する目的

①栄養添加物

食材だけでは補えない栄養を補充する目的
(ビタミン、ミネラル、アミノ酸)など

②品質保持の添加物

製造後にフードの品質を劣化させない(腐らせない)ようにする目的
(保存料、酸化防止剤、防腐剤、保湿剤)など

③嗜好性増進の添加物

食欲増進や見栄えを良くする目的
(着色料、香料、発色剤)など

④機能性向上の添加物

犬に必要な栄養素や機能を追加付与するため
(グルコサミン、コンドロイチン、セルロース)など

なかには愛犬の健康に役立つものや、ドッグフードの安全性を保つ上で欠かせない添加物も存在します。
一概に「添加物はダメ!」と考えてしまう事で良いドッグフードを選ぶ選択肢を狭めてしまっているかもしれません。

添加物を使用するときのルール

ドッグフードに使用する添加物は『ドッグフード安全法』によって、安全性試験などを経て食品添加物や飼料添加物として許可されている添加物を使用する事や、危険な添加物には基準値が定めらています。

またフードに使用している原材料の表示が義務付けられ、国内で流通している全てのドッグフードで添加物も表示されるようになっています。

過去には
「原料に何が使われているかわからない」
「発がん性のある添加物が大量に使われている」
などと怖い噂もあったドッグフードですが、法整備が進み徐々に健全化されてきました。

添加物は悪ではない

ここまでお伝えしたように、添加物はドッグフードの機能を向上させたり、利便性を高めるために欠かせないものです。
そして『無添加』と標榜しているほとんどのドッグフードにも、実際は『栄養添加剤』や『酸化防止剤』などの添加物が使用されています。
無添加ドッグフードは確かに健康に配慮されたドッグフードですが、『無添加』というフレーズだけにこだわらないようにしましょう。

ドッグフードの『無添加』って?

無添加ドッグフードの中にも、実際は添加物が入っているかもよ!
という話をお伝えしましたが、それでは無添加ドッグフードとはどのようなものを指すのでしょうか?

ドッグフードにおける『無添加』とは、先ほど紹介した4種類の添加物の中で
②品質保持に使用する保存料や防腐剤
③嗜好性増進の添加物
を使っていません。

という意味で使われることが多いです。

気を付けたいのは『4種類すべての添加物を排除してしまっている無添加フード』です。
『総合栄養食』じゃないこともありますので、あまりお勧めできません。

無添加といっても基準はメーカーによって様々。
健康に配慮したつもりが、逆にしっかりと栄養を摂れなくなってしまったら…本末転倒ですね。

また添加物の中でも、酸化防止剤はドッグフードに必須の添加物です。
必ず酸化防止剤が添加されているドッグフードを選びましょう。

酸化防止剤とは
ドッグフード中に含まれる『脂質』を酸化させないために必要な添加物。
脂質は空気に触れているだけで酸化してしまい、味の変化や異臭の発生、また犬の身体に悪影響を与えてしまう可能性があります。
特にいつもと違うツーンとした匂いが発生したときは、酸化してしまっている可能性が高いので注意が必要です。

なぜ無添加が良いと言われるの?

無添加フードが良いと言われる理由

  • 人の食品にも添加物が大量に使われているが、安全性試験や過去の使用実績から安全と判断できるものを使っている
  • ドッグフードに使う添加物は、食品添加物や飼料添加物を使用するように定められている。ただし犬に対しての安全性試験は実施されておらず、使用方法は製造メーカーの判断に委ねられている
  • 食品の場合、添加物の過剰摂取は健康被害のリスクがあるため安全性試験の結果から上限値が定められているものが多い。ただし犬の場合上限値が定められている添加物はほとんどない。

食品の利便性を高めるために使用される添加物は、通常の摂取で問題になるわけではありませんが、過剰摂取は健康被害のリスクがあります。
また長年添加物を摂取することで体内に蓄積していくことも懸念されており、明確な上限値が定められていない犬の場合、不必要な添加物は避けたほうが良いでしょう。



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